「星言葉」
冬至ですね。
日の力が、今日を境に、また復活へと転じる日。
みなさん、どんな想いでこの日を迎えていらっしゃいますか?
わたし自身は、ここ数年の意識の変容のひとつの終着を迎えていて、これからはそれをきちんと形にしていきたいという思いで今年の冬至を迎えています。
今日は、そんな流れの中で心をつかまれた一冊の本をご紹介させていただきますね。
ずいぶんと久しぶりになってしまったこのコーナーですが、またこうして素晴らしい本をご紹介できること、とても嬉しいです。
「星言葉」晴佐久昌英
「なんて美しい言葉だろう!」
noteというネットコミュニティでこの本の紹介記事を読んだ時、「星言葉」という本のタイトルにものすごく引き付けられました。
思い返せば、その頃、わたしの頭の中には、「星」という言葉がよく浮かんでいました。
早速、取り寄せて手にとってみると、見開き1ページで完結する50のエッセイがまとめられたものでした。
「まえがき」と「あとがき」
まずは、まえがきから。
水のようにさらりと、深く、一瞬にして心に沁みわたっていくような美しい言葉の連なり。読まずとも、眺めているだけでその純真な輝きが光を発しているのがわかります。
それだけで、この本に惹かれた理由がわかりました。
そして、あとがき。(著者の心は、前書きとあとがきに一番素直に出ると思っている、笑。)
これもまた、ああ!と染み入る言葉の数々。
著者はキリスト教の神父であるが、わたしはレイキを伝える者として。
本当は、宗教や何かしらの流派などの「名前」ではなく、この深く豊かなものを分かち合っていきたい、というその願い。
「ああ、もうその心がすごくわかる!」と震えました。
これはもう、安心してゆっくりじっくりと読み進めていこうと決めました。
見開き1ページで読み切ることができる手軽さから、その日の好きなタイミングで手にとって、適当に広げてみる。
今日のわたしにはどんな頁がもたらされるのだろうか?という偶然を楽しみながら。
だから、まだ全部は読んでいません。けれど、ぜひともみなさんにもお読みいただきたい。
ちょうど、時はクリスマスシーズン。どなたかの素敵なプレゼントになればいいな。
そんな願いをこめて、筆をとることにしました。
黙る
どのエッセイも、人としてのしなやかで豊かな在りようが深く心に刺さるのですが、中でも、今のわたしと一番共振したものが「黙る」と名付けられたものでした。
その中の一節をご紹介させていただきますね。
心に渦巻くことばを鎮めて黙ったときこそ、本来の自分自身を見いだすときであり、初めて他者に出会えるとき。迷ったとき、行き詰まったとき、最も苦しいときは、ことばでごまかさずに、まず、黙る。深く、静かに、ゆったりと。
ぼくもまた、最後の十秒は黙って過ごしたい。人は沈黙の世界でこそ愛し合えるのだから。そして実は、ぼくらは常に最後の十秒を生きているのである。
星言葉「黙る」
黙るということの価値を、こんなにも力強く美しく表現していることに嗚咽するほどでした。
黙して知る
触発されて、わたしの中からはこんな言葉が生まれました。
レイキとは、そうした領域に黙して触れていくことではないでしょうか。
静かに
心を開いて
耳をすませばとても繊細でなめらかな、その流れの音が聞こえます。
凪の海の水面の煌めきのように美しい、その輝きは人を謙虚にします。
謙虚であることを知る時、同時に、自分の傲慢さを思い知ります。
*
「星言葉」。
よろしければ、ぜひ。
この年末年始のお休みのお供に、お手に取っていただけたら嬉しいです。