ジャコウネコのコーヒー
ボロブドゥール遺跡公園で、エレファントライドを楽しんだ後は、ジョグジャカルタの王宮へと移動します。
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「コーヒーでもいかがですか?」
車窓からの景色を楽しんでいると、ガイドさんからこんな提案が。
マノハラホテルのおいしい朝食でまだおなかがいっぱいだったので、コーヒーはいらない、と答えたのですが、この近所で、コピルアクというジャコウネコのコーヒーが味わえますよ、とガイドさんが力説するので、話のタネに寄っていくことにしました。
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コピルアクとは、ジャコウネコの糞から未消化のコーヒー豆を取り出したものです。コーヒーの果肉は栄養になるのですが、その種(コーヒー豆)は未消化のまま糞とともに排泄されるのだそう。
お店の前には、乾燥中の「糞」がたくさん干してありました。
ガイドさんはそれを手に取ると、「これをきれいに洗浄して、皮をとったものがコーヒー豆になるんですよ。」と説明してくれました。
かなり乾燥がすすんでいるので、全然くさくありません。
お土産物やさんで「コピルアク」として売っているコーヒー豆が安いのは、純度が低いから。100パーセントコピルアクなら100グラム4000円~5000円くらいしますよ。と、ガイドさん。
まぁ、この時点では買う気もなかったので、そうなんだ~、と軽く聞き流していました。
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お店にはいったところです。
すでに、奥の方へと案内されている、hshima。
店を通り抜けると、中庭があって、そこに野生のジャコウネコが観光用に飼われていました。
夜行性なので、昼間は元気がありません。
こうして、ジャコウネコを飼って、餌としてコーヒーの実を与えても、元気がなくなって全然だめなんだって。
今でも、コピルアクは野生のジャコウネコの糞を職人さんたちが拾ってきてつくられるのだそうです。
日傘の下の小さな小屋で寝そべるジャコウネコです。
hshimaが、この一枚をとった直後に、くるりと背中を向けられてしまいました。
ジャコウネコといっても、お顔はタヌキっぽいんですよね。
再びお店の中です。
涼しそうな作りの天井です。
壁には、コピルアクの値段らしきものが書かれていますが、言葉がわからないので、いまいちピンときません。
言葉がわからないと、情報量って激減!
お店の人の説明では、コピルアクが豆、粉ともに10万ルピア(日本円で1000円弱)、ということだったので、おみやげに一つずつ購入することにしました。
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もちろん事前に、小さいカップで味見もさせてくれましたが、ぬるかったし粉っぽくて、コピルアクの魅力がわたしにはよくわからなかった。けど、まぁ、めずらしいし、そんなに高くないからいいかな、と。
しかし、この後、いざお会計となり、カードを切ったら、
なんと、「40万ルピア×2」の請求が!!!
「あれ、ひとつ10万ルピアじゃなかった?」とわたしたち。
ふたりとも確かに「10万ルピア」と聞いたから、それならおみやげに豆と粉、それぞれひとつずつ買っていってもいいなじゃいか、となったのである。
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あれ?だまされたかな???
と少しドキドキしたけれど。
ガイドさんからは、豆の相場は40万~50万ルピアと聞いていたのだし、きっとお店の人の日本語が上手でなくて10万ルピアと聞こえてしまったのだろう、と理解することにしたわたしたちだった。
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がんばれば、カードの支払いを取り消してもらうこともできただろうけれど、それではガイドさんの顔をつぶすことにもなっちゃうだろうし・・・。
それに、これもまたよいみやげ話である。
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ちなみに、この高くついたコピルアクのうちのひとつは、いつもお世話になっている妹のところへ。
先日、他のお土産も持っていきついでに、ちゃっかり飲ませてもらいました。
なんとも濃厚でずっしりした味わい。さすがは、ジャコウネコの体を通しているだけあって、ものすごい濃密なエネルギーを感じました。
これは、エクスプレッソみたいに小さいカップで味わうのがちょうどいいのかもしれません。
まぁ、好みがわかれるところですね。
コピルアクのお店から出た後の、車窓からの街並みです。
少しもやもやしながらも、「ま、いっかー」と気分を切り替えた瞬間でもありました~、笑!